WHAT'S NEW かごしまは、鹿児島のあらゆる新鮮な情報を集めてご紹介しています。

【読書】獣の奏者1闘蛇編,2王獣編(上橋菜穂子)

2009年01月09日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


『獣の奏者 1闘蛇編 2王獣編』 上橋菜穂子著



空想上の獣2種がその強烈な存在感を放つ。

片や手足を持つものの,泳ぐ様はまさに大蛇の「闘蛇」。
片や決して人に慣れることはないが,闘蛇の天敵で,真王の象徴として扱われている「王獣」。

闘蛇は「兵器」として飼育され,
王獣は真王の庇護の下,眺めるだけの生き物として飼われる。

だが,どちらとも飼われているときには繁殖しないのだ。
それは,遠い過去の記憶を伝えつつ流離う民のみが知ることだった…。


闘蛇の飼育者の娘として生まれ,
数奇な運命を辿りながら王獣の飼育医師として生きることを目指した主人公。

彼女の類稀な聡明さと音感,観察力,忍耐力,そして何よりその愛は,
流離う民がひた隠しにしていた真実を,白日の下に引き出してしまう…。


上橋氏が描く,極上のファンタジー。

主人公の女の子の強さは,ナウシカに似ている。

これは是非ジャパニメーションの力で,映像化していただきたい。

勿論軟派な路線ではなく,キチンと描ききって欲しい。

ファンタジーと動物の好きな方には堪らない作品。


オススメ度:★★★★★(5/5)


* *   *   *    *   *   *   *   *   *   *   *   *

『獣の奏者』

出版社/著者からの内容紹介

上橋菜穂子渾身の長編ファンタジー
王国の陰謀に果敢に立ち向かう少女・エリン。獣を操る技を身につけた彼女が選んだ未来とは?

【1、闘蛇編】
けっして人に馴れず、また馴らしてもいけない獣とともに生きる、宿命の少女・エリン。
母が指笛を吹き鳴らしたとたん、奇跡が起こった。だが、その奇跡を、母は「大罪」と呼んだ……。

獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。
ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。
孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに……。


【2、王獣編 】
「王獣は、けっして人に馴れることはない。
甘い幻想を抱いて近づきすぎれば、爪で引き裂かれて死ぬことになる」師匠にそう言われても、エリンは、王獣を恐怖で支配することを拒む。はたして人と獣がともに生きる道はあるのか?

傷ついた王獣の子、リランを救いたい一心で、王獣を操る術を見つけてしまったエリンに、学舎の人々は驚愕する。
しかし、王獣は「けっして馴らしてはいけない獣」であった。その理由を、エリンはやがて、身をもって知ることになる……。
王国の命運をかけた争いに巻きこまれていくエリン。人と獣との間にかけられた橋が導く、絶望と希望とは?
  

【読書】サム-あたたかな奇跡

2009年01月08日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


『サム-あたたかな奇跡』 トム・ホールマン・ジュニア著、鈴木彩織訳

【内容】

3歳のとき、廊下に置いてあった大きな鏡に映し出された自分の姿を見て、サムは床に突っ伏して泣き出した。
そこに映っていたのは、ほかの人とはあまりにもかけ離れた顔だったからだ。
生まれながらの原因不明の難病で、顔の左側に大きな塊がついていたのだ。

「ボクはありのままで生きたい!」
それからの毎日は、自分との、そして周りの人々の視線との、
そして何よりも治療法のない病気との闘いの日々だった―。

2001年ピュリツァー賞受賞!全米に生きる勇気を与えた感動ノンフィクション。
(「BOOK」データベースより)




左頬に生まれながら大きなこぶ(血管形成異常)のある少年、サムの感動的な実話である。。

この血管形成異常は体中の色々な部位に発生する珍しい病気のようだが、
その切除手術を受けた病院で、サムの両親は次のようななことを感じている。

手や足にあるそういったこぶは、その人の一部分に過ぎない。
でも、サムのこぶは、サム自身なんだと。

そしてその言葉を裏付けるように、
サムが子供の頃街で会った知らない女性には
「お母さんが妊娠中にドラッグでもやったのかしら」という言葉が投げかけられ、
また大きくなって街を歩いているときには「化け物」と言われたこともあるようだ。

サム自身、なぜ顔の下にある、「サム」という普通の少年を見てくれないのかと嘆いている。


左頬から耳の後ろ、顎にまで及んだおおきなこぶは、生まれてすぐに気道を圧迫し、
呼吸を困難にさせた(そのために彼は生後間もなく気道確保のための手術を受けている)し、
本来見えるはずの左目の視力を奪い、左耳を大きく変形させてしまっている。

それでもサムの両親は、サムを姉弟と同じように扱い、普通の男の子として育てている。
サムは頭脳が明晰で、特に数学には秀でているようだ。


血管の腫瘍は、その発生が謎ということだけでなく、
脂肪のような塊ではなく血の塊であることから切除には大量の出血が余儀なくされるし、
ましてや顔面のものには顔面神経が複雑に入り組んでいるため、手術には相当のリスクがある。

それでもティーンエイジを迎え、ハイスクールに通うようになったサムは、
切除してくれるという医師団からの申し出を受け、顎の周りの切除に臨む。
大量の出血で心停止の危機を乗り越え、また医師団の不屈の取り組みにより、切除は成功する。

しかし、その手術によって結果的に血流が変化し、腫瘍は脳の中へその魔の手を伸ばしたのだ!
手術後1ヶ月あまりの間に少しずつ体調が悪化し、最後には意識不明の重態となってしまう。

脳外科のエキスパート医師の神の手とサムの生命力を信じる両親、
何より今まで毎日闘ってきたサム自身により、そんな危機的状況から奇跡的に回復し、
辛いリハビリを経てハイスクールへの復学を果たす。


またそんな彼がハイスクールに戻ってきたことで、
彼の車椅子を進んで2階へ運んでくれる少年達がでてきたり、
混んでいるホールで「道を開けてやってくれ」とメガホンで叫ぶチアリーディング部の男の子が出てきたりする。

彼の存在が、彼の周囲を確実に変えていっているのだ。
周囲の変化を引き起こした最大の要因は、彼自身が皆に見せてくれた勇気や行動力に他ならない。



さて。
小人症・小頭症の息子を抱いて街を歩いているとき、サムが感じただろう視線に出くわすことがよくあった。

今ではやや大きくなって身長だけは普通の赤ちゃんサイズになってきたから、
そこまでひどくはないが、それでも頭が小さいので子供たちの興味を引くらしく、
ご丁寧に指まで指してくれることがある。


今では「赤ちゃん好き?」と問い返すこともできるのだが。



▼みっちゃんパパの毎日:http://blogs.yahoo.co.jp/tinylittleourangel  

あなたのPCを人類の明日のために。

2008年12月26日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


先日の「かごしまITフェスタ」で見つけました。


PCにあらかじめインストールしてある小さなソフトウェアが,
空き時間(使っていない時間)を自分で判断し,サーバーにアクセス。
データを要求して,計算します。


これは,地球上に存在する約6億5千万台のPCの多くが,
その能力の5%くらいしか使われていないことに目をつけたもの。

PC使われていない時間を,エイズ・ガン・伝染病など,
世界の科学者が日夜解明に奮闘している「計算」に参加させることができるんです。


ワールド・コミュニティー・グリッド
http://www.worldcommunitygrid.org/index.jsp


ゲノムと疾病の研究も行われることでしょう。
みっちゃんや,彼と同じような先天性障害を持った子ども達のために,
今日から参加しようと思います。



あなたのPCも、世界の変革を支援できるかもしれません♪  

「もののけ姫」歌声の秘密~人権尊重のまちづくり講演会

2008年12月26日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


霧島市の「人権尊重のまちづくり講演会」に,
「もののけ姫」の歌声で知られる
カウンターテナー歌手,米良美一氏がおいでになります。


氏は,「先天性骨形成不全症」という,小児慢性特定疾患に指定されている難病と共に人生を歩んでおいでです。


※先天性骨形成不全症とは※

易骨折性・進行性の骨変形などの骨脆弱性を示す病状に加え、
様々な程度の結合組織の病状を示す先天性の疾患である。
易骨折性・進行性の骨変形などの長管骨の骨脆弱性と脊椎の変形に加え、
成長障害、青色強膜、象牙質形成不全、難聴、関節・皮膚の過伸などの症状がある。(以上wikipedia)



この難病はちょっとしたことで骨折を繰り返すことで知られ,
きっと氏も様々な困難を克服しておいでだったのではと拝察します。

貴重な機会です。
おでかけになりませんか。


~~霧島市 人権のまちづくり講演会~~

【日時】 平成21年1月17日
【会場】 霧島市隼人農村環境改善センター
【開場】 12時30分
【開演】 13時~

【プログラム】

○ オープニング あさひ子供太鼓(あさひ幼稚園)
○ 主催者あいさつ
○ 第1部 人権コンサート
   津軽三味線奏者 長谷川 一義氏
    13時30分~14時
○ 第2部 講演 米良 美一氏
   演題「生きながら生まれ変わる」
    14時10分~15時20分

※入場無料

※託児をご希望の方は,事前にご予約ください
 (2歳児から小学校2年生まで)



【連絡先】
霧島市市民課人権擁護推進グループ
電話:0995-45-5111(内線1741)
  
タグ :米良美一

【読書】イノセント・ゲリラの祝祭(海堂 尊 著)

2008年12月25日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


【イノセント・ゲリラの祝祭】 海堂 尊 (著)

田口・白鳥シリーズ最新刊!

厚生労働省をブッつぶせ!
医療事故を裁くのはいったい誰なのか?



東城大学医学部付属病院不定愁訴外来の責任者で、万年講師の
田口公平は、いつものように高階病院長からの呼び出しを受けていた。

高階病院長の“ささやかな”お願いは、厚生労働省主催の会議出席。
依頼主は、厚生労働省役人にてロジカル・モンスター、白鳥圭輔。
名指しで指名を受けた田口は嫌々ながら、東京に上京することを了承した。
行き先は白鳥の本丸・医療事故調査委員会。

さまざまな思惑が飛び交う会議に出席した田口は、
グズグズの医療行政の現実を知ることに・・・・・・。
【宝島チャンネルより】





厚生労働省に新たに設立された検討委員会に、東城大学医学部付属病院の万年講師・田口医師が加わる。
そこでの権謀術数に長けたやりとりに、否応なく彼も飲み込まれていく…

稀代のメディカル・エンターテイメントは、現場を離れて政治の世界へと飛翔しようとしている。
つまりそれは、政治を抜きにして、医療が語れなくなっていることを意味するのだと思われる。


筆者の語る世界では…

患者や家族を置き去りに、自己保身と組織擁護に走る厚生労働省。

鳴り物入りで開始された「メタボ」健診すら、10年後の判定は正しかったのかどうか…

「行政」という言葉に、「まつりごと」という文字が含まれているように、
行政の頂点ではほとんど政治が行われているんだ。

閣僚ができることはほんの少しだけ。
きっと省庁の不祥事の際に頭を下げることだけなんだ。


ほとんどは、官僚と呼ばれる魑魅魍魎が、少しでも税金を多く飲み込もうと這いずり回っているんだ…。


あくまでエンターテイメントの世界だと信じたい。


オススメ度:★★★★☆


☆。・+゜*:。・+゜*・。:+゜*・★☆。・+゜*:。・+゜*・。:+゜*・★☆。・+゜*:。・+゜*・。:+゜*・★

『海堂 尊』 の著書
◆螺鈿迷宮(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e7992.html 
 
◆ジェネラル・ルージュの凱旋(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e7520.html

◆チーム・バチスタの栄光(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e7417.html

◆ナイチンゲールの沈黙(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e7502.html







  

ガネーシャの教え。

2008年12月24日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から



はい。
夢をかなえるゾウ」のお話ですね。
インドの神様,象のガネーシャ。



最初は友人から借りて読んだんですけど,
息子たちに読ませようと自分用に買ってきたんです。


長男は面白く読んで,それでおしまいだったんですけどね。


先日,次男が「流星の絆が読みたい」と言い出しまして…

さすがに,小学4年生にその原作本は難しいよということもありまして,
薦めてみたわけです。


 
「あ~,面白かった!」

げらげら笑いながら,あっという間に読み終えてました。

「それで?」
と聞いてみます。
「君はガネーシャから何を学んだんだい?」

「?」
次男は怪訝そうな顔。。

「玄関の靴を並べるとかさ,できるんじゃないの?」
「ガネーシャは『靴を磨く』って言ってたよ。」
「確かにそうだけど,磨いた靴はそのままほったらかしにするかい?
ちゃんと並べるだろ。
本を読んだら,何か学ばなくちゃ。」

納得したらしい次男は,すぐに靴を並べにいきました。



その後も,週末のシューズ洗いで…

「お父さん!
ガネーシャの言うとおり,楽しんで取り組んでみたら,あれだけ
イヤだったシューズ洗いが,とっても楽しくできたんだ!」

 

素晴らしいことだね!

…というか,次男はすでに私を超えちゃってるかもしれません(笑)



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参考資料


【夢をかなえるゾウ 内容紹介(著者コメント)】
「成功法則書を読んでも人が成功しないのはなぜか?」
世の中にはこんなに多くの成功法則書、ビジネス書があふれているのに、
成功者が増えたという話は聞いたことがありません。なぜだろう? ずっと感じていた疑問でした。
そしてこの疑問に対する1つの解答を用意したのが本書です。

主人公は「人生を変えよう」として何かを始めるけど全部三日坊主に終わってしまうサラリーマン。
しかし、ある日突然、彼の目の前にゾウの姿をした奇妙な生き物が現れます。
「ガネーシャ」という名を持つ、インドからやってきたこの神様は、
主人公の家にニートとして住みつき、ゲームをしては寝るだけ。
たぶん、史上最悪のメンター(師匠)でしょう。しかし、ガネーシャはこう言います。
今から自分が出す簡単な課題さえこなしていけば、お前は確実に成功する――。

成功を願う普通のサラリーマンとぐうたら神様ガネーシャ。
この二人が「成功するためにはどうしたらいいか?」「そもそも成功とは?」
自己啓発書のメインテーマを、従来とは少し違った形(具体的に言うと、慢才です)で深めていきます。



  

【読書】足でつかむ夢(小島裕治)

2008年12月22日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


【出版社/著者からの内容紹介】

僕には両腕はない。
だけど、この両足で夢をつかんだんだ----

4歳のときの交通事故で、両手・両腕を失った小島裕治さん。
その彼が、教師になる夢を抱き、多くの挫折を経て三度目の教員採用試験で見事合格。

そして、日本で初めて「手のない先生」として中学校の正規教諭になるまでを綴った、感動のエッセイ。

手のない僕だからこそ、こどもたちに教えられる何かが、ある。

多くのことを諦めてきた日々に見つけた、決して諦められない夢。
どうしてそんなに強く生きられるのか? 
その答えが、この本のなかにあります。




4歳の時の交通事故で瀕死の重傷を負い,その際両腕を失った作者。

ご両親の先を見る深い愛情と,
何よりご自身の努力で,足をつかって字を書いたり,箸を使ったりする術を憶えた。

しかし多感な中・高校生の時期には,自分のことに自信が持てず,
なかなか相手の間合いに踏み込む勇気がでなかったようだ。


何より,子ども達の「手なし人間!」という嘲りの言葉に深く傷ついて…

でも,素晴らしい教師に恵まれ,そして大学での留学経験などが,彼を「教師」への道へと歩ませる。

それは,留学先で,自己紹介を書こうと,画用紙に足で字を書いていたときだった。
子ども達が周りに集まり,「アンビリーバボォー!」と驚嘆の声を上げたというのだ!!

つまり,彼は子ども達の声によってどん底に突き落とされ,
一方で子ども達の声によって将来への道の方向性を得たということになる。


彼の足は,同時に彼の腕でもある。

見事教員採用試験を突破した彼の両足は,文字通り夢を掴み取ったのだった。

淡々と綴ってはあるものの,
これまでどれほどの努力で心の傷をカバーしてきたのか,察するに余りある。


特に,非常勤で通っていた中学校の最後の授業での言葉が素晴らしかった。


「今まで,その両手を,人を傷つけるために使ってしまっていたら,
今日からでいい。人のために使ってください。」

「いいか!みんなの両手は,人を傷つけたり,不幸にするためにじゃなく,
困っている人のため,そして自分の夢を叶えるために使って欲しい」



両腕を失った彼だからこそ,いや彼にしか言えない言葉であろう。
しっかりと胸に刻みたい。
  

【読書】螺鈿迷宮(海堂尊 著)

2008年12月10日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


螺鈿迷宮(海堂 尊 著)     


【出版社 / 著者からの内容紹介】

この病院は、あまりにも、人が死にすぎる――
日本の医療界を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から一年半。
その舞台となった東城大学に医学生として通う天馬は、
留年を繰り返し既に医学の道をリタイア寸前だった。
ある日、幼なじみの新聞記者・葉子から、
碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受ける。
東城大学の近隣病院である桜宮病院は、
老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院であり、
終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていた。
しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。
天馬は葉子の依頼を受け、看護ボランティアとして桜宮病院に通い始める。
そのうちに、奇妙な皮膚科医・白鳥と看護師・姫宮と出会うことになり……。



見る角度によって様々にその輝く色を変える、螺鈿(らでん)。
いかに光だけを集めようともがいても、そこに必ず生まれるのが、闇。



闇を見ずして、光の本質をつかむことはできない。



昔、死者に近い存在だとして忌み嫌われる職業だった「医師」。
今は生を呼び寄せる存在だという光に溢れている。
しかし、その足元には、死者から得た膨大な情報という闇があってこそのことなのだ。
だからこそ作品中では、桜宮病院院長で南方戦線の生き残り、
桜宮巌雄氏をして、「医学とは、屍肉を喰らって生き永らえてきたクソッタレの学問だ」と言わしめているのだ。



もうひとつ。
天涯孤独であろうとも、他人に迷惑をかけず生きることはできないということ。
交通事故で両親を亡くした主人公。
手元には莫大な保険金が。
その保険金がどうやって支払われたのかを知らずに、本人は成長する。
保険金が支払われた経緯と、不幸の連鎖…。
人の生は、そもそもが業の深いものなんだと改めて悟らされる。



それにしても、医学と医療、その周辺をテーマに連作、しかも多筆が続く。
次の「イノセント・ゲリラの祝祭」も既に入手済み。
筆者の筆が止まることはないのだろうか。



このところ,この作者の医療ミステリーにはまっている。
 
どの作品から手に取るのも読者の自由だが,この方の作品に限っては,発表順に読むのがいいようだ。



何故か?



全ての作品が相関しているから。
この作品は,「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」などが伏線として取り扱われている。
そして,「ジェネラル・ルージュの凱旋」の中で白鳥調査官が言ったとおり,
姫宮が内偵に入った桜宮病院を,白鳥調査官本人が潰しにかかる…



きっとこの後に書かれた「イノセントゲリラの祝祭」は,この作品が踏み台となっていることだろう。
決してスピンアウトではない。



独立した鑑賞にも十分だ。



オススメ度;★★★★☆



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螺鈿(らでん)

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  

カレンダー購入で「できます」!

2008年12月08日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


クリスマス間近で少々浮き足立ってしまいますが…
世界中に目を向けてみてください。

戦争孤児や虐待により,路上生活を余儀なくされている子ども達が,
地球上には1億人!もいるんだそうです…




一方,子供のための芸術祭は様々に実施されていますが,
このストリート・チルドレンフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)に特化した芸術祭として,
ストリートチルドレン芸術祭」は行われています。

2005年に開催された,「愛・地球博」が最初なんだそうです。

来年のカレンダーをまだ購入なさっていない方。
是非あなたの検討リストに加えてください!

ストリートチルドレン芸術祭公式HP↓
http://children-smile.com/index.html



この芸術祭には,世界中から絵が集まります。
その送付先は…熱海の公立中学校なんです。


その経緯を読んでも,子ども達の真っ直ぐな情熱に目頭が熱くなります。

熱海市立小嵐中学校公式HP↓
http://www.i-younet.ne.jp/~ran-tyu/
  

【読書】夜の桃(石田衣良 著)

2008年12月04日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


夜の桃(石田衣良 著)


数億円のローンを組んだ家、
高性能なドイツの車、
イタリア製のスーツ、
スイス製の機械式腕時計、
広告代理店勤務の可愛い愛人…
すべては玩具にすぎなかった。

幸福にも空虚な日々に流される男が出会った、少女のような女。
その隠された過去を知り、男は地獄のような恋に堕ちた。
東京のニュー・バブルの中で、
上下にちぎれていく格差社会に楔を打ち込む、性愛。

デビュー10周年の著者が挑む、渾身の話題作。
【Bookデータベースより】




R-18の物語。
男のためのおとぎ話。
過激な性愛表現という点では,渡辺淳一氏のあの作品とも比肩するかもしれない。

家庭を持ちつつも外に愛人を囲って…という生活は、蜜の味がするものなのだろうが、
その一方で自分で自分を罠にはめているようなものなんだ。


いつだって、罠は罠の顔をしていない。
はまったときにはもう遅いんだ。


しかも。
今痛い目にあったばかりなのに,懲りることがないんだ。。。



40代の男性の「オトコ」の部分を見つめたい方には、是非。


オススメ度;★★★☆☆


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石田衣良のその他の作品紹介

■シューカツ!(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e7803.html

■非正規レジスタンス~池袋ウエストゲートパーク8~(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e6079.html

■1ポンドの悲しみ(NikiNikiアラカルト)
http://niki2times4.ktstv.net/e4951.html










  

【読書】空中ブランコ(奥田英朗 著)

2008年12月03日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から

空中ブランコ(奥田英朗 著)


伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、
尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。
だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。
この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?
直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。
(BOOKデータベースより)


いやいやいや。

前作イン・ザ・プールも凄かったけど。

ますますの暴走っぷり。

目が離せませんね,このお方。


あの「いらっしゃーい!」という声と共に、精神的に不安定な患者を反社会的行為にけしかけたり、
さらに不安が増長するような言葉をなげかけたりする伊良部総合病院地下の精神科・伊良部医師のところに、
跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、先端恐怖症のヤクザ、書けなくなった流行作家、
打てなくなった野球選手などが、よせばいいのにやって来る。


そのたびに奇天烈な行動と言動で患者の不安感を煽りつつも、
反面教師のように患者自身にその状態を悟らせて、快方へと向かわせる。


直木賞受賞は伊達じゃない。


思いっきり笑った後は、将来自分にも振りかかってくるかもしれない、不安や恐怖症の恐ろしさと、
伊良部医師の存在を感じることができるようになっていることだろう。




オススメ度;★★★★★


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□奥田 英朗 (「BOOK著者紹介情報」より)
1959(昭和34)年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て、作家に。
2002年に『邪魔』で第4回大薮春彦賞受賞。2004年に『空中ブランコ』で第131回直木賞受賞。

□イン・ザ・プール(「BOOK」データベースより)
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。
色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。
プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。
こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。







  

【読書】シューカツ!(石田衣良 著)

2008年12月01日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


シューカツ!(石田衣良 著)



仕事も会社も、わからない。でも今、闘うしかないんだ。
水越千晴、鷲田大学三年生。

仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。
目標は全員で、最難関マスコミ合格。
「BOOK」データベースより




就職戦線の実質上の動きが始まったと,新聞に出てましたねぇ。

バブルがはじける直前に就職戦線を経験した私の周りには、
企業の内定を4つ、5つと貰っているヤツが少なくなかった。田舎の国立大学なのに、である。
私がそのまま田舎に引っ込むことが分かると、友人の数名から真剣に批判されたものだ。
真面目に就職活動をしないからだ!
そう言ったヤツは、一部上場企業の人事部に採用になったっけ。


時は移り、今の大学生は、3年生になったらすぐに就職活動を始めるらしい。


マスコミ関係に強い一流私立の鷲田大学に通う水越千晴は、
仲間7人で「シューカツ」チームを立ち上げる。
全員がTVや新聞、一流の出版社などのマスコミ関係への就職を希望している者達だ。

アルバイト先での店長の言葉と、そこに働く「やる気の見られない年上アルバイト」との関係。
大学の先輩にアポを取っての複数の企業訪問と、先輩方の取り組む姿勢。
2週間のインターンシップで経験したテレビ局のワイドショーの現場と、そこに厳然と存在する「ルックス」の問題。
なにせ一緒にいった「準ミス鷲田」は、その場でカメラテストがあり、
「アナウンス部」を受けるようにじきじきに連絡があったんだから。
でも、「周囲の期待に反しないように、その女性を演じつづける」という、その彼女にある強さにも尊敬したり。


就職戦線本番突入の頃、チームメンバーの一人が
そのプレッシャーのあまり「ひきこもり」になってしまう、心の脆さ。
それは誰にだって持っていて、たまたまソイツがひきこもってしまっただけなんだという現実。


何より、インターンシップで経験したTV局の最終面接まで残りながら、不合格となった悔しさ。
千晴は、シューカツを通して、仕事と人生を深く考えることになる…。




現代の就職活動は、こんな風になっているんだ!と改めて感じさせられる。


今の日本は、相変わらずストレートでの就職者にしか
ゴールデン・チケット」は手渡されないんだということも良く分かる。
勿論、これから就職を考えている方にも,就職を控えた子供さんを持つ親御さんにも。


オススメ度;★★★★★


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石田 衣良
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業後、数々のアルバイトを経て、広告制作会社に入社。
数社を転々とし、コピーライターとして独立。
97年、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞。
詩的な散文で現代の事象を切り取るオリジナリティーが高く評価され、若い層を中心に幅広い人気を得る。
2003年に『4TEEN』で第129回直木賞を受賞。

  

【読書】憑神(浅田次郎著)

2008年11月28日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


『憑神』 浅田次郎著



妻夫木君主演で映画化もされましたね。
10月に読んでいたんですが,やっと読書日記をアップできます(汗)

初めての浅田作品でしたが,おもしろくて,やがて哀しき…という表現がぴったりではないかなと。


幕末。
江戸。

貧乏御家人の別所彦四郎は、学問はもとより武芸に励み、
直心影流男谷道場の免許皆伝まで得た、文武に秀でた武士である。
武家の次男坊は、いずれ養子に出される運命だからだ。

その甲斐あってか、実家の格式とは比べるべくもない家柄へと入婿することになった。


しかし。
男子を授かった途端にあからさまないびりが始まり、
ちょっとした粗相をこれ幸いと口実にされ、離縁されてしまったのが運の尽き。

実家に帰ると、夜鳴き蕎麦一杯の小遣い銭もままならなくなってしまう。


そんな彼を見かねて母から貰った小遣いでほろ酔い気分になった彼は、
草むらに隠れていた祠に手を合わせる。
霊験あらたかであったものの、そこに立ち現れた神は、よりによって「貧乏神」だった!


彼の人間性にほれこんだ貧乏神は、彼を追い出した嫁の実家に「災厄を振る」ことを提案する。

しかし災厄はそこで終わったわけではなかった。

三段逆スライド方式のように、憑神はあと二回、それぞれの役割を負って、彼の前に現れてくる。

運に見放されつつも、幕末に生きる武士として、徳川家に使える家人として、
真摯にかつ懸命に生きる彼は、神をしてその存在を認めさせてしまうのだ。




途中おかし過ぎて思わず笑い声が出てしまうほどコミカルなのに、
最後には、もののふの覚悟とは、これほどまでに崇高で哲学的なものだったのかと感じさせるあまり、
涙が流れしまうほどの名作。  

『まごのて』でヒーリングゥ~♪

2008年11月27日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


いつぞや傷めた腰の調子が思わしくない私。
改めて行き付けのカイロプラクティックで,調子を整えてもらうことにしました。

国分中央にある「まごのて」パティオ店です。


ここに改装オープンする前からの馴染みなんですよ…
ここでの営業も,もう3年くらいになるそうなんですけどね。


電話で予約を入れると,女性スタッフさんが「空いてますよ~」とのこと。
一番近い時間帯に予約を入れさせてもらいました。




私にカイロを施してくださるのは,身長180センチよりも更に大きい店長さんです。


歩き方を見ただけで「腰ですね?」
うつぶせに寝ると「背中が張ってますね」


触ってもいないのに。すごい!


まぁこの方,首のマッサージの時に,
「こっち向きにこんなカンジで寝てるでしょ?」ということまで当てちゃう,
ほとんどスピリチュアルなお方。そういえば体型も…(以下略)


おしゃべりしながらの45分間でしたが,腰の調子をみてもらって,
軽く「コキコキッ」とやってもらっただけでなく,全身を揉み解していただきました。


この至福の時間が3500円。
セットで何回分かを先に購入しておくと,とってもオトク。

我が家は家内と共通で使ってます。


施術が終わった後は,カウンターで飲み物のサービスが。
ココだけ見ると,オシャレなカフェみたいですね。



コーヒー,紅茶,緑茶のほかに,生姜湯なども選ぶことができます。
私はいつもホットコーヒーをいただいています。



さてさて、
実はこのお店,足つぼマッサージや痩身・脱毛などにも力を入れていて
11/29~3周年記念キャンペーンを実施するそうですヨ!



【第1弾】
11月29日・30日(2日間限定)
1コイン足つぼ→15分500円で足つぼマッサージが受けられます。

【第2弾】
11月25日~12月5日
メール会員限定企画→全メニュー20%オフ

【第3弾】
11月30日~
まごのてオリジナル チロルチョコプレゼント(数量限定)



順番としては,まずはメール会員になっておくといいかもネ!



まごのてPATIO店
http://www4.synapse.ne.jp/magonotehp/index.html
霧島市国分中央5-610
TEL:0120-85-6033
営業時間:月~土11:00~22:00 / 日・祝 11:00~21:00
  
タグ :まごのて

【読書】ジェネラル・ルージュの凱旋(海堂 尊)

2008年11月18日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から

ジェネラル・ルージュの凱旋(海童 尊 著)


「ナイチンゲールの沈黙」で描かれていた,患児の父親の殺人事件。

そこで,このシリーズの主人公である東城大学医学部付属病院の万年講師・田口は
かなりの時間を割いてバッハの「マタイ受難曲」(どうやらカットなしだと約3時間を越える大作らしい)を,
異なる演奏者によるCDで10枚は聞き比べ,それと同時に
バッハがこの曲を作ったときに住んでいた風景の写真を想起できるよう訓練していたはずなんだが…。

なんと同病院に勤務する同期で,救急救命センター部長の速水が,
特定業者と癒着して収賄をしているという告発文が,田口講師が委員長を務めるリスクマネジメント委員会に届き,
病院長とも協議の上周辺を調査しなければならないという重責まで負う。

その内容から,倫理問題審査会(エシックス・コミティ)の委員長・沼田助教授に相談するが,
これが前リスクマネジメント委員会委員長直系らしく,好機到来とばかりに田口講師に襲い掛かる…
あくまでも表面上はロジカルに。

しかし,だ。
救急救命センターの速水部長は,救命センターが設立される前に起こった大事故を,
一介の駆け出し救命医でありながら陣頭指揮して多数の命を救い,
その指揮ぶりには当時の外科部長をして従わざるを得なかったという伝説をもつ,
「血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)」であり,彼なくしては東城大学医学部付属病院ばかりか,
この地域の救急医療は成り立っていかないのだ。
 
そして彼は,この地の空にドクターヘリ導入を切望している。

倫理を声高に振りかざし,研究の存在理由(レゾン・デートル)をみようともせず
あら捜しするばかりのエシックス委員長には,こう言い放つ。

「何でもかんでも倫理,倫理とわめきたてるのは,やめにしてもらいたい。
俺を裁くことは誰にもできない。ただ一つの存在を除いて,な。」


「それは何ですか?」

「俺を裁くことができるのは,俺の前に横たわる,患者という現実だけだ」

 

病院経営に黒字を求め,救急医療の現場にすらそれなりの収益を求める事務方に,彼はこう言い放つのだ。

「現在の経済システム下では医療の根幹を支える部分が冷遇されている。
俺たちの仕事は,警察官や消防士と同じだ。トラブルがなければ,単なる無駄飯食い。
だからといって国家は警察官や消防士に利益を上げることを要求するか?
そんな彼らに税金という経済資源を配分することを,国民は拒否するのか?」


どうやら彼は,厳しくなる財政事情の中,機材等の収賄で得たものを,救急医療の運営に当てていたらしい。

そんな彼を裁くことができるのか。
病院長から彼の処遇について全権委任を受けたリスクマネジメント委員長で万年講師,
何より友人の田口はどういった決断を下すのか。

そこに,バイパスでのタンクローリー事故の報道が入る。近くに石油タンクがある場所。
しかも,その日はすぐ近くの大型ショッピングモールのオープンで,沢山の人が付近に押し寄せていた…

救急入電を待たず,ジェネラル・ルージュは動き出す。
そう。彼に「神」が降りてくるのだ。

血まみれ将軍。
その名の由来は,本当はそうではない。

未曾有の大惨事の中,報道ヘリばかりが空を舞い,ドクターヘリが全く飛ばない夕焼けに,ジェネラルが吼える…



大学病院というところは,病院長を頂点としたヒエラルキーで構成されているというばかりではなく,
よくよく観察すると複雑なモザイクを用いて危ういバランスを保ちながら組み上げられているもののようだ。

権威・権力という麻薬に毒された人々が,その命題である「病から人を救う」ということを忘れ,
泥沼を突き進んでいく様子が垣間見える。

その一方で,わが身やスタッフを極限まで鼓舞し,消え入ろうとする命を呼び戻すことに懸命になる医師もいるんだ。

現代医療と周辺が抱える病巣を抉りつつ,人間に焦点を当てた作品。

これも映画化を望みたい。
  

【読書】ナイチンゲールの沈黙(海童 尊)

2008年11月17日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から

ナイチンゲールの沈黙(海童 尊 著)



あの「バチスタ・スキャンダル」から9ヶ月。

クリスマスシーズンを迎えた東城大学医学部付属病院の万年講師・田口は,
不定愁訴外来,通称「愚痴外来」を開設し,院内外から重宝がられている。

一方,小児科では網膜に発生するガン,レティノブラストーマ(網膜芽腫)の手術に対する子ども達の心のケアのため,
この「愚痴外来」を活用する策を考え付く。

そこへ患児と共に行くことになったのは,二人の担当看護師・浜田小夜。
幼い頃に音楽好きな父に本格的に鍛えられた経験と,それにまつわる暗い過去を持つ彼女。
その実力は,病院の忘年会で独唱した「アヴェ・マリア」により,演し物の最優秀賞を異例中の異例で,
個人で勝ち取ったほか,病院のクリスマス・コンサートでの独唱を負かされているほどだ。

その忘年会での二次会に行く途中,死の淵から甦った歌姫のシークレットライブに
そのマネージャー兼プロデューサーに誘われ,その歌を歌うことで,才能の片鱗を見せる。
しかしそのライブの最中に,肝心の歌姫が重度のアルコール中毒による肝硬変と食道静脈瘤破裂で吐血して倒れる。
ライブ会場に一緒に行った同僚でICU勤務の看護師・翔子がてきぱきと指示を出し,歌姫の命を救う。

そんな中,小夜は患児の父親が殺されるという事件に巻き込まれる。
その患児はほぼネグレクト状態にある14歳の男の子,瑞人。
翔子によると,今年度の病院内美少年サーチエンジンで第1位なんだそうだ。

病院内での警察の事情聴取,しかもそれが小児科では行えない事態に,「愚痴外来」が活用されていく。
そこに登場するのが,「バチスタ・スキャンダル」で田口と一緒に事件を解決した厚生労働省の技官・白鳥。
対して,事件を所轄する警察署の警視正は,白鳥の学生時代の同級生で天敵・加納だった!



全ての芸術は音楽に憧れるのだという。


全ての音楽家は,自分の持つメッセージを旋律や歌詞に込めて,対象者に届けようとする。

それが「才能」という見えないチカラによって,実現可能なのだとしたら?

歌唱者自らの心象風景を,歌によって相手の脳裏に甦らせることができるのだとしたら?

一方で,相手を思いやる気持ちは,深い自己犠牲によって更に昇華するものだと思われる。


自らが殺人者であるという汚名を着てでも,
相手の自由を確保したいという望み
は,果たしてかなえられるのだろうか。



病院内各課での看護師同士のやりとりと口癖。

医療人としての使命と責任感に懸命に立ち向かう医療スタッフ。

その一方で,気質や性格に難問がある医師と,スタッフとの確執。

小児科を取り巻く厳しい現実と,病と懸命に向き合う子ども達。


作家が勤務医であるからこそ描ける写実性

単なるミステリーではない。

そこにヒューマンドラマがあるからこそ,私はこの作品に涙するのだ。



オススメ度;★★★★★  

【読書】チーム・バチスタの栄光(海堂尊)

2008年11月12日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊 著



大学病院の講師として,不定愁訴外来で患者を診る主人公。

血を見るのがイヤで外科から逃げ,
「やりたいことをやり,やりたくないことはサボる」、

そして上昇志向とは無縁というポリシーなんだそうだが,
でも患者と丁寧に向き合い,患者自身が自分自身の心の傷を自分でくるみこめるまで付き合うのは,
やはり人間性と言えるだろう。


そんな,華やかとは言いづらい診療科を担当する彼とは正反対の,
通称「バチスタ」という心臓手術で華々しい成果を収めている助教授,桐生の下に集まったチームは,
「グロリアス・セブン」と呼ばれている。
ただでさえ困難なその手術を,27例も立て続けに成功させたのだから。


ところが,その奇跡のチームに暗雲が垂れ込める。
3例も立て続けに失敗したのだ。

拡張型心筋症の一部を切り取り,心臓を整形するという困難な手術の成功の確率からいうと,
とるに足らないことなのかもしれないが,執刀した桐生は何かがおかしいという。

その訴えを受けて,病院長が田口に内偵を命じる。

田口によるスタッフへの丁寧な聞き取り後の見学した手術では,何も起こらなかったが,
その次の手術で術死が再発し,
厚生労働省から対人関係への距離感がおかしい白鳥技官が派遣されてくる。



医療事故か。
はたまた殺人か。


緩やかに進む前半とは対照的に,後半はかなりのスピードで物語が展開していく。

登場人物の性格がそれぞれしっかりと練りこんであって,
誰もが殺人者の可能性を想起させる設定も見事。

話を深刻にしすぎないためなのか,作者のサービス精神なのか,
いたるところに散りばめられたジョークも楽しい。


映画?ドラマ?

いやいや。
原作を手に取るべきですよ!


オススメ度;★★★★☆



▼フジTVドラマ『チーム・バチスタの栄光』公式サイト(KTS毎週火曜PM10:00~好評放送中)
http://www.ktv.co.jp/batista/

▼映画『チーム・バチスタの栄光』公式サイト
http://www.team-b.jp/index.html
  

【読書】容疑者Xの献身(東野圭吾)

2008年11月07日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


「容疑者Xの献身」 東野圭吾著



すでにロードショーが始まっているベストセラーの読書日記なんて・・・
とお思いの方も多いことでしょう(苦笑)

でも、私は「読んでから観るか、観てから読むか」と問われたら、間違いなく前者ですから!


この「探偵ガリレオ」シリーズの主人公、天才物理学者の湯川学の同窓生である石神哲哉。

現在は私立高校の数学教師として日々の糧を得てはいるが、
その数学者としての才能は、当時の教授をして50年か100年に一人の逸材と言わしめたほどであり、
物理学を志した湯川にとってもその実力を認めることのできる、友人の中でも数少ない人物だった。


そんな石神がひそかに想いを寄せているのは、隣人の靖子である。
トラブルの末に別れた前夫の前から姿をくらまし、ひっそりと暮らしている彼女とその愛娘の姿を、
近くにいながら遠く憧れている。

ただ、彼女の働く弁当屋に日々弁当を買いに行き、彼女の姿を見るだけで満足なのだ。


穏やかに暮らす母子のもとを探し出し、前夫がやってくる。

復縁を迫ると見せかけ、巧妙に金を巻き上げる。
そんな生活が嫌で、職を変え住まいを変えたというのに。

気づくと、娘が前夫の後頭部を痛打し、
それに逆上し暴れた前夫の首をコタツのコードで絞めて殺害していた・・・。


途方に暮れる母子のところに、隣人の石神が声をかける。彼女を守りたい一心からだ。
前夫の死体を片付け、母子に警察の手が伸びないようにするには・・?
天才数学者らしいトリックが構築されていく。

およそ数学者は、シンプルでエレガントな答えを欲するだけでなく、
その解答に至るまでの道筋までもなるたけ美しいものを望むのは、
「博士の愛した数式」でのあの博士にも共通する部分だ。


この物語での天才数学者、石神にとってのシンプルな答えは決まっていた。

彼自身が想いを寄せる「靖子を警察から守り抜き、
これまでどおり平穏な暮らしをさせる」ということだ。

そのシンプルな答えのため、彼は逆に解くのが困難な問題を警察に出題する。
彼の言葉を借りれば、「思い込みの盲点を突く」という問題だ。
「幾何の問題に見せかけて、実は関数の問題」というような。

そして、
「自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうかを確かめるのは、どちらが簡単か」
ということについて、数学的に思索を深めていた石神は、その考えを事件の隠蔽に応用する。
論理を完成させるために、彼は恐るべき方法すら取っていたのだった。

彼の唯一の誤算は、
学生当時その実力を認めた天才物理学者、湯川が捜査当局の刑事と友人だったということだ。

探偵ガリレオの推理に、次第に追い詰められる石神。そして彼は、最後のカードを切る・・・。



最後まで読者をだまし続けるトリック。
そして最後まで揺るがない容疑者Xの愛。

一切の打算を排し、相手に何も求めない、捧げ続けるだけという無償の愛、
それこそが「献身」と呼ぶべきものなのだろうし、
それこそがこの物語に単なる探偵小説以上の深みを与えているといえる。

献身。

その方法を間違えさえしなければ…。   

【読書】DIVE!(森絵都 著)

2008年10月30日
NikiNIki会員 みっちゃんパパさんの日記から

DIVE!(森絵都 著)


◆内容
高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。
その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、なんとオリンピック出場だった!
女コーチのやり方に戸惑い反発しながらも、今、平凡な少年のすべてをかけた、青春の熱い戦いが始まる―。
大人たちのおしつけを越えて、自分らしくあるために、飛べ。 (「BOOK」データベースより)




日本ではマイナースポーツという位置づけであっても,青春はおろか人生すら捧げる価値のある一瞬がある。


高飛び込みの10mは,1.4秒で着水するんだそうだ。学生時代に一度だけ5mの高さから飛び込んだことがあるが,
入水時にやや斜めになっていたらしく,激しく腰を傷めた苦い記憶がある。
そのときはコンタクトもゴーグルもなかったから,視力0.01の私にはまさに何も見えない状態。


しかし,実際のダイバーはこの数秒の間に風景を確認しながら自分の動きを決めているのだという。
恐るべき動体視力と運動神経である。


そのわずか2秒足らずの演技のために,毎朝走り,自主トレをこなし,一日100本以上のダイブを繰り返す。

ともすると萎えて,逃げたくなる自分の気持ちを奮い立たせるライバルの一言と行動。

ライバルの素晴らしい演技に感動しつつ,焦燥感と闘うアスリート。

そう,主人公は少年達だが,これはれっきとしたアスリートの物語だ。



主人公になりきって読むと,あなたも10mからのダイバー気分が味わえること必定

上下巻を一気に読んで,熱い気持ちを感じてください。



オススメ度;★★★★★


  
タグ :DIVE!森絵都

【読書】いつも君の味方(さだまさし著)

2008年10月28日
NikiNiki会員 みっちゃんパパさんの日記から


『いつも君の味方』 さだまさし



【内容】
27時間テレビで話題沸騰となった「退職の日」に出会った新幹線の車掌さん。
永遠のヒーロー「ナガシマシゲオ」への熱き想いと今だから明かせるエピソード。
一生のエールとなる言葉を残し、若くして亡くなったバンドの仲間…さだまさしが51年の半生の中で、
特に心に残った人と出来事を綴ったエッセイ11篇。 (「BOOK」データベースより)





なにもいい歳をしたおじさんがバイオリンを抱えて表紙にならなくっても,と思う。

でも,私は著者のファン。

アルバムを買ったりすることはもう何年もないけれど,彼の著作には目を通している。

さびしがり屋で,感受性が豊かで,サービス精神旺盛で,何より人が大好き。

そんな著者は,有名であるということだけでなく,
様々な人とのたくさんの出会いを通じて得る輝きを,人生の糧にしているのではと思う。

そしてまた,そういった出会いを「必然」に変えてしまえるほど,人柄が優れているのだろう。



タイトルはバックバンド「サーカス」(「Mr.サマータイム」で有名になった同名のコーラスグループが出てからは
「元祖サーカス」と改名(笑)の「団長」(バンドマスター)だった,故福田幾太郎氏の一言から。

「そんなこともないだろうけど,万が一君が世界中を敵に回しても,僕だけは君の味方だよ」

そう口に出してくれる友人が一人でもいたら、もうものすごいことなのではないか。

著者の音楽世界と同様、じっくりじんわり心に沁みてきて、ついポロッと涙がこぼれてしまう秀作が並ぶ。

秋の夜にはぴったりである。


オススメ度;★★★★★   

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